その症状の裏にある病気

2021年6月1日

先日、YouTubeで「心臓外科のリハビリ」の動画を見ていたら関連動画の中に衝撃的なサムネイルが出ていたため、思わず動画を見てしまいました。

「がんサバイバーみこと」さんという方の動画でした。

そのサムネイルには

「がんのサイン気付かずに末期 緊急入院までの経緯」

という文字と共に、若い美人の顔写真が文字と写真があまりにもミスマッチで思わず内容を見てしまいた。

動画の中で「みことさん」は末期がんが判明するまで数々の症状に気付きながら、それが「がんのサイン」と気づかなかったそうです。

症状としてはひどい痛みがあったため

・整形外科

・整体

にも通ったそうですが

その痛みが「がんのサイン」とは気付かなかったそうです。

動画中「寝ている時も痛い」とおっしゃられていました。

いわゆる「夜間痛」です。

「夜間痛」があると聞くと「がん」を疑う必要があります。

私が若い頃学んでいた、パリス法という徒手療法では有名な話です。

この徒手療法はオーストラリアの理学療法士パリス先生が開発したものです。

オーストラリアは理学療法士に開業権があり、痛みがあるとまず理学療法士のクリニックに行くそうです。

そのため、痛みが危険なものでないか判断するため、こういった知見が必要とされます。

パリス法に限らずオーストラリアやニュージーランドが発祥の徒手療法にはこういった知見があります。

私は長らく訪問リハビリで働いてきたので、理学療法士のクリニックと同様に「危険」か?「危険でない」か?の判断をする必要があります。

訪問リハビリは、他のリハビリをする場面と大きく違う点として患者さんと対峙するのが私一人という点です。

リハビリは一般的に病院で行うため何かあっても医師や看護師に対応してもらえばいいわけです。

訪問では一人のため自分で判断しなくてはいけません。

「危険」か?「危険でない」か?

「リハビリができる状態」にあるのか?

という判断から始まります。

「リハビリができる状態」という点で「がん」の場合もリハビリはもちろんできますし、歩行能力の維持のためにもやった方がいいです。

しかし「がん」と診断されていない人に「がん」の疑いがあったら悠長にリハビリをやっている暇はありません。

一秒でも早く医師に診てもらって必要な治療を受けるべきです。

さらに痛みは「がん」だけでなくその他の内臓の疾患でも存在します。

心筋梗塞でも胸や肩に痛みがでます。

気付かずに整体をしたら…

考えたくもないですね。

同じように危険なことで「気胸」があります。

肺に穴が開く病気です。

これも一刻を争います。

緊急性は落ちますが胸膜炎や帯状疱疹も胸に痛みを出すものです。

こういった場合もなるべく早く受診する必要があります。

この他に「むくみ」があると心不全や腎不全を疑う必要があります。

「しびれ」「めまい」「頭痛」なども大変な病気の症状かもしれません。

整体をするうえで

「痛み」

「しびれ」

「むくみ」

「めまい」

「頭痛」

などの症状を訴える人は当たり前の様にいます。

その際、その症状が「重大な病気」によるものでないか?

見逃さない様に注意しなくてはいけません。

訪問リハビリで勤務していた間でも

「脳出血」

「肺炎」

「熱中症」

「心不全」

などの疑いで救急車を呼んだり、医師に相談することは何度も経験してきました。

整体ではこういった機会にはなかなか巡り合う事はありませんが「常にアンテナを張って気を付けていかないと」とこの動画を見て改めて思いました。

動画中に「この症状は関係ないか」と自己判断し医師に話していなかったため、「すべて話しておけばよかった」と話されていました。

当院へ来院された場合も同様に「この症状は関係ないか」と自己判断せずに症状をすべてお伝えください。

がんサバイバーみことさんの「がんのサイン気付かずに末期 緊急入院までの経緯」という動画は↓↓からご視聴いただけます。

https://youtu.be/unuSAsKVY4s

こういった形でこの動画を紹介するのは「良くないかな」と思ったのですが、お話されている内容がとても大切な事ですし、みことさんもこの話をすることで「誰かの役に立てば」言われていますので紹介させていただきました。

当院からはかけ離れすぎている内容の様に感じると思いますが「痛み」にはこういった側面があります。

「痛み」で受診する際や当院へご来院いただく際には、なるべく詳しく症状をお伝えしていただくといいと思います。