「先生」と呼ばれること

2021年5月19日

今回は、お役立ち情報ではなく、自己紹介の一環として私の「考え」について書かせていただいております。

先日、お客様から
「先生って呼んだらいいの?内海さんって呼んだらいいの?」
という主旨の質問がありました。

なぜそう聞くのか?気になり質問したところ

「病院で先生って言わないでくださいと言われたことがあって」
との事でした。

たしかに最近といっても、私が学生だった18年くらい前から
「先生」と呼ばない病院や施設があると耳にしていました。

働き出して仲間でも「先生」と呼ばない病院や施設に就職した人もいます。

若い頃「先生」と言われた方がいいのか?言われない方がいいのか?
についてよく話になりました。

どっちがいいのかは

それぞれの立場や考えがあるので

どちらでもいいと思います。

私の考えは
「先生」と呼ばれた方が「いい派」です。

もちろん
「先生」と言われないと納得しないわけではありません。
若い頃は「内海君」と呼ばれることもあり、親しみを込めてくださっての事なので嬉しいくらいでした。

ではなぜ「先生」と呼ばれる方がいいのか?というと

「先生」と言われると…

引き締まるからです。
引き締まるというよりは
「自戒」といった方が適切なのかもしれません。

「人は立場に育てられる」的な話がありますが

私も「先生」と言われることによって
理学療法士として
いち医療人としての
自覚が生まれ、問題に対して正面から対処できるようになりました。

私が国家資格を取って初めて働いたのが
訪問リハビリです。

訪問リハビリは文字通り患者さんのお宅に1人で行ってリハビリをします。

患者さんは「患者」というだけあって

病気を抱えている人がほとんどです。

そして時々、救急車を呼ばないといけない現場にあたります。

理学療法士は医療人であるものの病院内で働く事が前提のため

病気の人への施術やリハビリに関する知識があっても

急変時の対応に関する知識は学校であまり学びません。

それは、院内に医師や看護師がいるので知識がなくても問題ないためです。

現在は訪問リハビリが一般的になって来たので急変時の対処など学んでいると思いますが(そうなっている事を期待しています)

新人の頃いつも緊張し「ビクビク」した状態で訪問していました。

とあるお宅に訪問した時の事です。
まず初めに
その日の体調などを聞いて
バイタルサインといって
・血圧
・脈拍
・体温
・SpO2(サチュレーション)
を測定します。

その際
SpO2が「80%」と表示されました。
(SpO2:血中の酸素量を簡易的に測定するものです)

その値はかなり良くないもので
新型コロナウイルスの流行によってSpO2も有名になったので正常値を知っている人もいると思いますが、96~100%が正常値です。

90%を切ると極めて危ない状態です。

あなたもこの現場に遭遇した事を想像してみてください。
「うろたえ」ませんか?

私も「うろたえ」
正直「逃げたい」と思いました。

そんな私の顔色を察したのか

ご家族が
「先生どうした?じいさん具合悪いのけ?」
と茨城なまりで話しかけてきてくれました。

その一言で正気に戻る事ができ
「ちゃんと対処しよう」という気持ちになりました。

その後も訪問した際に「脳卒中」「肺炎」「心不全」「脱水症」などで救急車を呼ばないといけない現場に遭遇しましたが

「先生」と言われることで背中を押され
・状態確認
・危険な状態にあるのかの判断
・救急病院や主治医へ問い合わせ
・救急車の要請
などをしてきました。

22.3歳の「あんちゃん(茨城では若い男性を呼ぶときに用います)」に
「あんちゃん」でなく
「先生」と声をかけてくれて
その「先生」に育てられました。

「先生」って言われると
気が引き締まるんですよね。

「先生らしくしなきゃ」と

そのため、
私は「先生」と言われることに賛成派です。

今でもお客様に「先生」と言われると
背筋が“ピン”と伸びる感じがします。

今日も茨城の時に担当していた人から
「先生、コロナになってない?元気?」と連絡を頂きました。
いまだにこういう交流が続いているっていうのは嬉しいことですね。