SCIATICA坐骨神経痛

坐骨神経痛

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)は、腰からお尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけて広がる痛みやしびれの総称です。病名ではなく、症状を指します。

坐骨神経痛とは?

坐骨神経は腰(腰椎:ようつい)から出て、殿部、太ももの裏の部分までを指します。
それより下ではいくつかの神経に分かれて足先まで分布します。
このどこかの部分で痛みやしびれなどの神経に障害が生じると「坐骨神経痛」になります。
また、坐骨神経に沿った痛みがあり原因となっている病気が分かっていない場合でも「坐骨神経痛」という言葉を使う場合があります。

原因

「坐骨神経痛」の原因となる病気はたくさんありますが、数が多いのは腰椎の部分で神経が圧迫されたものです。
部分別に原因となる病名を挙げておきます。

腰椎の部分:
・腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア
・腰椎分離(ようついぶんり)すべり症
・腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
・腰椎変性すべり症
・馬尾腫瘍(ばびしゅよう)
・腰椎腫瘍(ようついしゅよう)

骨盤の部分:
・骨盤内の大きな腫瘍(しゅよう)
・骨盤内のリンパ節や骨に癌が転移

坐骨神経の部分:
・梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)
・帯状疱疹(たいじょうほうしん)

・その他:いろいろな原因の末梢神経炎(まっしょうしんけいえん)でも生じます。
・神経に障害がない場合:変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)などで関連痛として坐骨神経痛に似た痛みが出る場合があります。

病院での診断

「坐骨神経痛」は病名ではなく症状ですから、前に上げたような病気をそれぞれ診断していく必要があります。
検査を進める場合には頻度の多い病気を考えて、
・腰椎単純X線、
・MRI
などを行います。

※坐骨神経に沿って強い痛みと発疹があれば、帯状疱疹(たいじょうほうしん)といって皮膚科の病気になります。
※坐骨神経痛のような痛みを出していながら大きな子宮筋腫や変形性股関節症による関節炎が原因となっていることもあります。

病院での治療

坐骨神経痛の治療は、症状の原因や程度によって異なります。
原因となっている病気(代表的なものとして椎間板ヘルニアなど)が分かれば、それぞれに対する治療を行います。
①薬物療法
②理学療法
③注射
④手術療法
などがあります。

坐骨神経痛を引き起こす病気にはさまざまなものがあり、その中には腫瘍(しゅよう)や化膿性(かのうせい)の病気など、深刻なケースも含まれています。
そのため、医療的な処置が必要かどうかを確認するために、早めに病院を受診することをお勧めします。

日常生活での注意点

・長時間同じ姿勢を続けないようにしましょう。
・適度な運動やストレッチを心がけましょう。
・腰やお尻に負担をかけない姿勢を意識しましょう。

「くるら」での施術

「くるら」では、病院で「骨には問題ない」と言われたのに、「痛くて仕方ない」という原因のはっきりしていない症状に対する施術を行うことが多いです。

施術では
①トリガーポイント・リリース
②筋膜リリース
③筋力強化
④セルフケア

を中心に展開していきます。

「骨に問題がない」のに痛む際は、筋肉が原因となっていることが多くあります。
具体的な症状を聞くと
・立ち上がろうとすると痛む
・歩く際に体重をかけると痛む
・階段を下る際に痛む
という訴えをよく耳にします。

骨×筋肉=体の動き(動作)
これらの痛みに共通するのは「動作(どうさ=動く事)
に伴っている事です。
この「動作」は「骨」を「筋肉」によって動かすことで起こります。

「動作」に必要な要素の一つの「骨」に問題がない場合、残されたものは「筋肉」です。
すなわち「骨に問題がない」痛みの多くは「筋肉が原因」となっていると考えられます。

厳密には、その他にも「関節」や「靭帯」「神経」なども関わりますが、「関節」はレントゲンで写るため「関節が傷んでいる」などと言及されます。
「靭帯」「神経」もMRIなどの検査で問題があれば指摘されます。

筋肉が原因とは
・トリガーポイント
・筋膜の問題
です。

①トリガーポイント・リリース

トリガーポイントとは、筋肉の一部が過度に収縮してしまい、痛みや不快感を引き起こす箇所のことを指します。これらのポイントを圧迫すると、痛みがその場所だけでなく、関連する別の部位にも広がることがあります。
トリガーポイントは、下のような原因で形成されることがあります。
– 筋肉の使いすぎや慢性的な損傷
– 姿勢の悪さや長時間同じ姿勢でいること
– ストレスや疲労による影響

坐骨神経痛とトリガーポイント

坐骨神経痛は股関節の周りの筋肉や太もも裏の筋肉が原因としてあげられます。

一般的に有名な筋肉として、お尻の奥、股関節のすぐ後ろにあり、坐骨神経に隣接している筋肉で梨状筋(りじょうきん)があります。


私の施術した感覚では、梨状筋より小殿筋(しょうでんきん)の方が原因となっているケースが多くみられます。


中殿筋(ちゅうでんきん)もよくトリガーポイントができています。

その他にも腰方形筋(ようほうけきん)、大殿筋(だいでんきん)、大腿二頭筋(だいたいにとうきん)など該当する筋肉があります。

トリガーポイント・リリース

上記の絵の赤いバツの箇所が過度に収縮すると青い位置に痛みや不快感が出ます。
その赤いバツの過度の収縮を改善させることで、青い位置の痛みや不快感が改善されていきます。
トリガーポイント・リリースでは手や器具での圧迫、振動器具を利用して「過度の収縮」を改善させる手法です。

②筋膜リリース

筋肉を包む膜(筋膜)が硬くなったり癒着したりしている部分を、手技や器具でほぐします。これにより、筋肉の柔軟性が向上し、痛みが軽減されます。

「筋膜の問題」とは

筋膜は、皮膚の下の皮下組織や筋肉の上をボディースーツの様に全身をおおっている筋膜から、筋肉内の筋線維一本一本を包んでいる細かな筋膜まであります。

その一部の筋膜が短縮したり、癒着を起こしても全身的に繋がっているため、全身的に悪影響を及ぼすことがあります。
筋膜の短縮が筋肉の硬さを引き起こし、一定以上の硬さになると痛みを感じるようになります。
筋肉が硬くなると本来の動きができなくなります。
すると腰や股関節を動かそうとした際に、正常な動きでなくなり痛みを伴う様になります。

また、骨盤前面の筋膜が短縮すると上半身が前に傾き、それを支えようとして骨盤後面の筋肉が過度に働き、筋肉が硬直して痛みが生じます。

筋膜リリース

上記の図の様に骨盤前面の筋膜が短縮し、殿部が痛む場合、殿部の筋肉をほぐすだけでは痛みは一時的に軽減しても、原因である骨盤前面の筋膜は短縮したままなので、痛みはすぐに再発してしまいます。
骨盤前面の短縮を改善させないといけません。
この短縮したり癒着した筋膜を、手技や器具でほぐします。
これにより、筋肉の柔軟性が向上し、正常に動くように痛みが軽減されます。

筋膜の問題を把握する

筋膜の問題を把握するためには、姿勢や痛みの出るタイミングや日常生活など、判断に必要なことを細かく質問して、あぶり出していきます。

③筋力強化

「大殿筋(だいでんきん)」は、お尻の大きな筋肉で、体を動かす上でとても重要な役割を果たしています。歩く時の「片足で支えている」状態の時に、骨盤がグラつかないように支えるために一番力を発揮する筋肉です。
この大殿筋が弱くなると、体を支えるために周りの筋肉が「大殿筋」の代わりを果たそうとします。
坐骨神経痛の原因となる「小殿筋(しょうでんきん)」は、大殿筋より小さく、力がないため、すぐに限界を迎えて筋肉はカチカチに硬くなって痛みを出す様になります。

そのため、「小殿筋」のトリガーポイントを改善するためには、「大殿筋」の筋力も鍛えなくてはいけないのです。

④セルフケア

施術でトリガーポイントや筋膜の短縮などが改善されても、その状態を引き起こす原因が日常生活の中にある事が多いため、常に再発の可能性が付きまとっています。
例えば仕事上せざるを得ない動作が原因であったら、仕事内容を変えられればいいですが、そうできない事の方が多いと思われます。
そのため、再発の可能性が高いことを理解した上で、再発予防として日々のセルフケアを行っていく必要があります。
セルフケアには、原因となっている動作を特定し対策する事が重要です。その点を考慮し一人一人の症状に適したオーダーメイドのセルフケアも指導していきます。

まとめ

・坐骨神経痛は、腰からお尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけて広がる痛みやしびれの総称です。
・原因は腰椎椎間板ヘルニアなどの腰椎疾患が代表的です。
・時折、癌(がん)や腫瘍(しゅよう)が原因となることがあるため病院に必ず受診しましょう。
・治療方法は原因となる病気によって変わります。
・病院で「骨に問題がない」と言われ、その痛みが「動作に伴う」場合は「筋肉が原因」の可能性が高いです。
・「筋肉が原因」の痛みは、トリガーポイントや筋膜の異常が関係しています。
・痛みがあるところだけを施術しても改善には向かいません。原因に対しての施術が必要になります。
・画一的な治療や施術ではなく、一人一人にあったトリガーポイント・リリース、筋膜リリース、筋トレ、セルフケアで総合的にアプローチが必要となります。

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