先日、興味深い事例を思い出したので共有したいと思います。
6年前来られた方で
「常に痛みがあって不快で仕方がない。時によく眠れない時もあって、この痛みから解放されたい」
と話をされていました。
この方のプロフィールはこの様な感じです。
高橋さま(仮名) 女性 50歳
仕事:アパレル販売 一日8時間ほど接客や商品の陳列で立っている事が多い
休み:週に1.2回
通勤:徒歩20分程度
この方のカウンセリングをしている際、
「腰の横なのか、お腹の横があたり痛くて、腰痛も整形外科へ行っても問題がないと言われて、内臓の病気なんじゃないか?と思って内科と婦人科にも受診したのに、何の異常もないと言われたんです」
という話が出てきました。
この話を聞き
「もしや…」と思い
とある仮説を立て、ある事を試みました。
結果…
その痛みは改善されました。
もちろん一発で!!
という訳には行きませんでしたが
普段から徒歩で通勤されていたり、仕事で立っていたりで日常的に動いていらっしゃる方なので、比較的順調でした。
完全ではないものの一か月で「常に痛みがある」状態から
「仕事が忙しくて疲れた時に痛みが出てくる」
「朝起きてすぐは痛いけど、少し動けば後は気にならない」
状態まで回復してきました。
では、何を仮説して実行したのか?
ちなみに…
仮説と聞いて
「えっ!?思い付きでやってるの?怖くない?」と
思った方がいらっしゃいましたらご安心ください。
もちろん問診などから導き出された仮説です。
仮説と検証を繰り返す事は、精度を高めていく手段の一つで、
どの業界でも使われている手法だと思います。
話を戻します。
今回、仮説を立てたことは
殿部からふくらはぎにかけての痛みは
・小殿筋(しょうでんきん)

腹部の痛みは
・中殿筋(ちゅうでんきん)
・腸骨筋(ちょうこつきん)
・大腰筋(だいようきん)
この3つのいずれかの筋肉が腹部の症状に関係しているのではないか?
という点です。



理由としては
・殿部からふくらはぎにシビレや痛みが出るのは小殿筋の典型的なトリガーポイントです。
・過去に恩師からの耳寄り情報として中殿筋が「腹痛」を引き起こす原因になることがあると記憶していました。
・腸骨筋や大腰筋にトリガーポイントがあると腹部痛が出る事があるためです。
それぞれの筋肉に施術を実施することで、筋肉の硬さ。シビレや痛みなどの症状が再現されるか?を確認していきます。
結果としては
・小殿筋
・中殿筋
・大腰筋
で症状の再現が確認され
これらの筋肉への施術で、症状は着実に改善していきました。
今回の様に病院では「問題のない」と言われたのに
痛みなどの症状が続く場合、今回の様に筋肉が原因かもしれません。
「トリガーポイント・マニュアル」の著者のTravellらは
「痛みのうち85%はトリガーポイントだけに起因している」
という学説を著書の中で紹介しているほどです。
85%と聞くと「それホント?」「怪しぃ~」と思ってしまうかもしれません。
私もさすがに言い過ぎなんじゃない?と思います。
しかし、痛みに関しては高確率でこのトリガーポイントが影響している事は、
私の経験上でも間違いなく感じています。
なので、痛みがあるのに「原因不明」という場合は一度ご相談ください。
お役に立てるかもしれません。
でも、これを読んで「お腹が痛かったら、まずはくるらに行ってみよう」と
思った方!
「普段と違う」「凄く痛い」腹痛があったら、まずは病院に行きましょう!!
そこで問題がなく原因も分からない場合は「くるら」へという「順序」を
覚えておいてください。

























