半身麻痺からの復活
2020年10月8日
先日、開店準備をしていると
電話が鳴り出ると
「うちうみくーん。あっごめんごめん。内海先生!?」
と懐かしい声が
声の主は、私が理学療法士として働き始めた15年前に担当した鈴木さん(仮名)の声です。
鈴木さんは静岡市出身でご主人の転勤で、土浦市に来てそれから30年以上住んでいます。
新人時代から約10年間、担当者になったり、担当を外れても代行で担当したりしていて、
職場を退職後も静岡に帰省すると
「内海君、時間ある?」と尋ねて来てくださいます。
今回の電話の内容も
「10月下旬に静岡に行くから整体やってちょうだい」
という事でした。
「静岡の友達も連れてくからね。」
と言うありがたい内容でした。
とても明るくて前向きな方で
担当者に
ねずみ先生
ひげ先生
イケメン先生
ゴリラ先生
などとあだ名をつけて
「娘に話をするときに、影でそう言ってんのよ〜」
とカミングアウトして
あだ名で呼んでる事が明るみなってしまったりと…
話をすると、いつも楽しくて元気を頂くのですが
もともとは60代後半で脳卒中を患い半身麻痺という重い状態でした。
担当し始めた頃は、室内だと何とか杖を使って歩ける程度で、椅子に座るときは手で支えるか、背もたれがないと不安定で「怖い」という状態でした。
そこから週に2回リハビリをすることで、和式のトイレが使えるようになったり、外を歩けるようになるまで回復されました。
それからはや15年
「あたしももう80代よ」
「声は元気なんだけど、体はボロボロよ」
と言いながら
新幹線を使って静岡まで来られるそうです。
脳卒中の5 年生存率は 62.3%と言われており、
5年で35%、10年で50%の人が再発するとも言われています。
それから見ると発症後15年ほどが経過し、現在でも茨城県から静岡まで遊びに来れるというのは奇跡に近い状態ではないかと思います。
これは、ご本人がバイタリティーあふれる人格というのもありますが、それを可能にしている身体があるという事です。
鈴木さんは発症後ずっとリハビリを継続している事が、発症後15年経って年齢が80歳を超えても茨城県から静岡まで来れる身体を維持できている事につながっています。
「継続は力なり」
まさに鈴木さんにピッタリの言葉です。
鈴木さんに限らず、これまでリハビリで継続的に関わると身体をいい状態に維持することができました。
やっている私たちが
「みんな元気だね」
と感嘆するほどの方が多くいらっしゃいました。
なかには
大学病院で
「今帰らないともう二度と家に帰れないです。家に帰ってもそう長くはないでしょう」
と言われて退院してきた方が、リハビリを開始したら状態が安定して立ち上がりの練習まで始めたと聞いて、若いドクターが休みの日に様子を見に来るということもありました。
リハビリを継続する事の大切さ
我々のような理学療法士が継続的に関わる事の大切さを改めて感じた電話でした。
なぜ理学療法士が関わる事が大切なのか?
理学療法士は薬剤師や看護師などと同様に、もともとは医師がしている仕事のなかから
「医師でなくてもいい仕事」から分かれて出て専門化した資格です。
そのため、医師が診断を下して治療する。
という流れを汲んでいるので
「評価」という医師でいうところの診断を下してリハビリをします。
膝が痛い→太ももの筋トレ
肩がこる→肩もみ
など安直な事はしません。
しっかりとなぜその問題が発生しているのか?
どの様にしたら問題解決ができるのか?
という点を大切にしています。
加えてリハビリをする場合
何らかの病気を患っている人にする前提のため
病気のというリスクを抱えた人への対処法をちゃんと学びます。
学生時代は
リハビリの技術を学ぶ以上に
解剖学や生理学などの基礎医学
検査測定技術や「評価」
病気の知識
などの方を学びます。
更には精神医学まで学びます。
そのため巷にある身体をメンテナンスするお店で、
「痛い」からと言って安易にそこの部分を揉んだり
骨を整えたりして大丈夫なのか?
筋肉と骨のことは詳しく勉強しているかもしれないけど
病気の可能性や病気の影響までちゃんと考えてるのか?
それを考えずに痛みの症状だけ聞いて施術行為をしているのを見ると
本当にヒヤヒヤします。
当院は上記のような知識を前提に
目の前にある「痛み」に対して施術をしてもいいのか?
この体に起きている現象は今後問題を引き起こす可能性があるのか?
どんな持病を抱えているのか?などを聞いたり、
考えながら継続して関わる事で、
状態の維持や安定にも深く考えて施術しています。
今は「痛み」などの不調の改善という事を目的に「整体」のサービスを提供していますが
今後は継続してサービスを提供することで「痛くならない」「悪くならない」という事をしていけたらと思っています。
「痛み」はなくても、自覚症状なしに変形などが進み「痛み」が出た時には
手術を受けないといけない状態だった。
「どこも痛くないよ」と言っている方の姿勢や歩き方を見ると、
いつ痛みを出してもおかしくない状態で、身体が徐々に硬くなって、
徐々に姿勢も悪くなっているため気が付かない。
という事も多々あります。
早めの対処はとても大切です。
痛みが出て初めて悪くなっていることに気が付きます。
早めの対処の積み重ねが状態悪化を防ぎ、身体機能の維持につながっています。
こんな経験をしてきている私ですが
身体の事でお悩みなどありましたら遠慮なくご質問やご相談してくださいね。
連絡先は
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施術中で出られない事が多々あります。お急ぎでない場合はなるべくLINEまでお願い致します。